シャープ Memoire CJ-A350 機種情報
本ページで紹介している製品は旧スプリアス規格で認可の無線装置のため、2022年12月1日以降は運用することができなくなります(総務省告知)。

機種紹介

Memoire(メモワール)シリーズ。そのCJ-A300に始まった親子型の留守番電話機の正統進化系でしょう。運よくパッケージごと手に入ったのですが、その謳い文句でこの形式は102タイプと呼ばれていたのですね。電話で1つ、留守番で1つということ……?
とにかく、CJ-A300で大成功した親子独立の多機能留守番電話機の特徴をそのままに機能強化された機種です。電話機のカドが取れて丸くなっていく90年代初頭の流れがすでに始まっていますね。

余談ですが昭和の製品は角ばっていて平成期から丸くなっていった……というイメージは必ずしも正しくないと思うのです。 昭和30年代に完成を見た「黒電話」600形電話機は意外なほどに曲線的なデザインでしたが、CJ-A300に先立つ、無線でない電話機は各社とも主流は四角いデザインです。 その後は90年代半ば頃までには角の丸い電話機が中心となり(例: CJ-D3: 1993年頃)、90年代後半にはナンバーディスプレイの開始に伴って液晶中心のデザインの必要が生じたためかデザイン一新、2000年頃には手にフィットなどという触れ込みの流線形と曲線中心のデザインになり (UX-F5CL: 2001年, CJ-V91CLなど)、そして2000年代半ばのデジタルコードレスの登場時は再び直線基調を取り入れたデザインに戻った (JD-S10CL) という印象です。 インダストリアルデザインは専門外ですがこういう変遷を追ってみるのも面白いかもしれません。だいたいどのメーカーも同じタイミングで同じようなリデザインを行い、合わせて内部機構の大幅変更が入っているのも興味深いところです。

CJ-A350 親機

(CJ-A300と本機種の間にあるCJ-A320を未所持のため定かではないのですが)本機種の新機能は子機盗聴防止機能とスピーカー受話です。 本体ではなくパッケージにはMémoire SCRAMBLE (メモワール・スクランブル) と表記されている程度には盗聴防止機能を売っていたようです。 と言ってもこの時代のアナログコードレスの盗聴防止機能はスペクトル反転方式の簡易なものと推測されますが、無線化した電話の盗聴を心配する世相があったということでしょう。 しかしながらこの90年ごろの機種の一群の後は盗聴防止を謳う製品は2006年のデジタルコードレスの登場までごく少数を除いて現れなかったところを見ても、単純なスクランブルは家庭用には無用というか、家庭用にしっかりしたスクランブルをかけるまでに至らないうちにデフレに向かい機能を省いた製品ばかり連発されるようになったのではないかとさえ思えます。

前作のCJ-A320に引き続き、グッドデザイン賞を受賞しています。 公式サイトに選定理由まで掲載されていないのが残念です。
というかなんでこれとCJ-S100が受賞できてCJ-A300は漏れたのかな……大きな留守ボタンの上と横にまとまったテープ操作ボタンなんか洗練されていたのに。

発売年1990年頃
入手年月2021年5月
発売価格69,000円
親機型番単品型番なし
子機型番単品型番なし
子機充電池N-096
子機増設対応せず
短縮ダイヤル親機:19件+オートダイヤル5件、子機:10件
保留メロディ
コードレス方式アナログコードレス (旧スプリアス規格: 運用期限2022年11月30日まで)
特徴機能 (パッケージより抜粋)盗聴防止スクランブル
ドアホン応対・ドアホン留守録
子機スピーカー受話
コードレステレホン機能 102タイプ
内線リモート機能

写真 (クリックで拡大)

CJ-A350 親機
親機。テープ操作は蓋の中にあります。
CJ-A350 子機
子機。左下に盗聴防止スクランブルのボタン、右下にスピーカーボタンがあります。またリモート操作でテープの巻き戻しもできるようになりました。
CJ-A350 パッケージ表
CJ-A350 パッケージ裏
パッケージの宣伝文句です。