松下(現パナソニック)が1990年に発売した、知る人ぞ知るコードレス留守番電話機。KURZはクルツと読みます。その直線と曲線を効果的に配した特徴的なデザイン
(参考: blog ZENBEAT:KURZ)は、
初期のApple製品を手掛けたことで有名なフロッグデザイン社に委託されたものです ジオ社のデザインによります (
2018年10月1日訂正)。また、FM音源を採用
(出典: KURZ - Pinterst)した呼出音と保留音が搭載され、華やかながら落ち着いた印象を与えます。電話機能・留守番機能の方にも抜かりはなく、暗証番号を知る特定の人からの着信を区別する機能、暗証番号を知る客人(外線)との通信用または宅内専用(直接操作で録再・外線リモートは録音のみ)の伝言録音機能、留守応答の開始と同時に録音を行う着信同時録音機能もあります。別置電話機を接続すると保留転送も可能です。
電話機という製品群もすっかりコモディティ化し、固定回線自体の契約数が右下がりの今、このような独創的な製品にはなかなか出会えるものではありませんが、そういえば黒電話の文字盤をモチーフに円を据えたモダン・クラシックなデザインはふと、ディジタル時代となった20余年後に発売されたVE-GDF61(ページ執筆待ち・
公式プレスリリース)にも通じるものがあると思えてきます。
さて、私の個人的な思い入れを語りますと、本機は私の電話機コレクションの最高目標の一つだったとさえ言えるものです。各種Webサイト様で本機の美しさと高価だった故の希少性について述べられていますのでn番煎じは省きますが、当時の技術で贅を尽くした「芸術品」としての本機にいつしか魅せられてしまいました。この度、偶然にもオークションサイトを開いた時、説明書付きで出品されたのを見つけ、買わないという選択肢が消え去りました。出品者様にお話を聞く機会に恵まれ、本機に関する想い出を分けていただいたこともあり、いつまでも大切に維持してゆきたい電話機です。